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ホームスパンの織り手がつくる 北のまちのスヌード

蟻川工房さん

中村工房さん

みちのくあかね会さん

田中祐子さん

植田紀子織物工房さん

森由美子さん森工房

舞良雅子さん

mää-mää homespunさん

ササキトモミ beigeさん

  • Text + Photo / tenote
2016.07.29
いとへん(MORIOKAスヌード)

岩手のホームスパン

「ホームスパン」とは、羊毛を手で紡ぎ、手織りしたもの。イギリスで発展したホームスパンの技術は、明治期に日本へと渡ってきました。明治期後半から大正期にかけて世界的戦争が続くなか、軍服用の毛織物を輸入したのがそのはじまり。そして、毛織物の需要が徐々に高まるにつれ、国は毛織物の自給体制を整えるために、北海道や長野、福島、岩手などでめん羊事業を推進していったのです。

大正期以降、岩手でも農家を中心にめん羊飼養や羊毛加工が盛んになっていきました。一方で、民藝の「実用と美」の精神に魅せられた及川全三氏(東和町出身)が、工芸品としてホームスパンの価値を高めていきました。

かつては北海道や長野などでも盛んだったホームスパンですが、今、地場産業として残るのは唯一岩手県のみです。その理由として挙げられるのが、太平洋戦争後の全国繊維事情の変化。繊維の多様化に伴ってホームスパンが衰退する中、岩手県には県の機関による継続的支援があったことが、今に続く大きな後押しになったといえます。

加えて、一つのことに粘り強く取り組む実直でまっすぐな岩手人の気質があってこそ、古くからの技が残り、工房ごとの個性が育まれてきました。現在は、盛岡市や東和町を中心に工房や作家たちが、それぞれのやり方でホームスパンの技術を生かしたモノづくりを行っています。

手織りの技を生かした「MORIOKAスヌード」

岩手県の県庁所在地・盛岡市では、その技術と感性を生かした「ホームスパン」を織る工房や作家が、独自に作品づくりに励んでいます。「MORIOKAスヌード」は盛岡市で活躍するホームスパンの7工房(作家)それぞれの織り技、多彩な表現センスを生かした冬のアイテムとして生まれました。羊毛をベースにした手織りならではの風合い、北国の作り手だから知る「長い冬を心地よく、楽しむ」ための工夫。皆さんも、ぜひその使い心地を確かめてください。(「MORIOKAスヌード」公式サイトより)

◎てくり別冊『岩手のホームスパン』

明治期、イギリスから日本へ渡ってきた「ホームスパン」は手紡ぎ手織りの毛織物。その技術を脈々と受け継ぎ独自の文化として育てた岩手は、今や全国有数のホームスパン産地だ。県内各工房や作家たちのストーリー、紡ぎや織りの技術を育てた歴史的背景など、多方面からまとめたホームスパンの決定版。

♦ 2015年10月15日発行
♦ B5変形・122ページ
♦ ソフトカバー・オールカラー
♦ 2,000円 + 税
こちらからお取り寄せも出来ます

紹介商品の詳細、ご購入はこちらから

蟻川工房さんの

MORIOKAスヌード

¥77,000(税込)

※現在「くらしか ONLINE STORE」ではお取り扱いしておりません。

中村工房さんの

MORIOKAスヌード

¥24,200〜(税込)

みちのくあかね会さんの

MORIOKAスヌード

¥36,300〜(税込)

田中祐子さんの

MORIOKAスヌード

¥13,200〜(税込)

植田紀子織物工房さんの

MORIOKAスヌード

¥36,300〜(税込)

森由美子さんの

MORIOKAスヌード

¥13,200〜(税込)

※現在「くらしか ONLINE STORE」ではお取り扱いしておりません。

舞良雅子さんの

MORIOKAスヌード

¥31,350(税込)

※現在「くらしか ONLINE STORE」ではお取り扱いしておりません。

mää-mää homespunさんの

MORIOKAスヌード

¥44,000(税込)

作り手

蟻川工房さん

染織家で柳宗悦の甥である柳悦孝に師事した故・蟻川紘直さんが昭和45年に設立。及川全三の弟子だった母・福田ハレさんと妻・喜久子さんらとともに、服地、ストール、マフラーなどを製作。平成10年に紘直さんが亡くなったあとは喜久子さんが工房を引継ぎ、平成20年から伊藤聖子さんが代表を務めています。

中村工房さん

大正8年創業。創業者の中村ヨシさんから4代目を引き継いだ和正さんまで代々家業として工房を営んできました。現在は中村家3人のほか、女性スタッフ2人の5人体制。また、以前働いていたスタッフに糸紡ぎと織りを外注しています。商品はマフラーやストール、ショールのほか、アクセサリー、作家とコラボレーションした帽子やバッグなども行います。

みちのくあかね会さん

昭和33年、戦争未亡人の自立支援のための授産施設として当時の市会議員横田チエ氏らが中心となって「盛岡婦人共同作業所」を発足。同作業所でつくったホームスパンを販売する会社として、昭和37年に株式会社みちのくあかね会を設立しました。

田中祐子さん

蟻川工房に弟子入り後、同工房で織り手として働き、27歳の時に自宅に工房を構えて独立。ジャケットやコートなどの服地、マフラーやストールなどを手掛ける一方、手織り教室、日報カルチャースクールの講師も務めています。1984年日本民藝館展初入選。

植田紀子織物工房さん

岩手大学を卒業後1年間教職に就いたのち、蟻川工房に弟子入り。5年後、デンマーク王立スカルス工芸学校に留学し、帰国後の1981年に工房を設立、その3年後に染織教室をスタートしました。市内の専門学校で講師を務めながら、マフラーのほか服地、ショール、ひざ掛け等の製作に取り組みます。

森由美子さん森工房

同志社大学文学部文化学科美学・芸術学専攻卒業後、蟻川工房に弟子入り。その後、兵庫県芦屋市滴翠美術館染織研究所でホームスパン教室講師を務めたのち、京都で染織教室を開き、関西を中心に活躍。現在は、岩手県滝沢市に工房を構えて染織教室も開く。

舞良雅子さん

岩手大学にて美術工芸を学び、教育専攻科修了。同時期に蟻川工房に弟子入り。その後、岩手大学非常勤講師を経て、織物作家として独立。マフラーやストールなどをつくる一方で、独創性にあふれたインスタレーション作品を創作し国内外で活躍しています。平成27年は、日本が持つ創造性を世界に発信する「ジャパンクリエイティブに参加。

mää-mää homespunさん

紡ぎ担当の木村加容子と織り担当の木村つぐみ、という奇跡のダブル木村2人によるユニット。それぞれの専門分野を生かし、伝統的なホームスパンの技術を継承しながら一つひとつを丁寧に、日々の暮らしに彩りを加えるようなものづくりをめざします。

ササキトモミ beigeさん

1974年岩手県生まれ。幼少期から織物に興味を持ち、ホームスパン工場の織り手、観光農場や羊毛屋勤務を経て、2004年に山梨に『OREGIN』として作家活動スタート。2016年、岩手県に拠点を移し、羊毛の質感や無染色にこだわり、素材のままの毛織物を意味する『beige』として活動中。「クラフトフェアまつもと」2017出展。

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